2020年10月18日、調布市東つつじケ丘2丁目付近で地表面が陥没し、それ以降も地中に空洞が複数箇所発見されました。これは「大深度法」を適用しての、東京外かく環状道路の地下トンネルをシールドマシンで掘削することで引き起こされた深刻な事故です。
NPO法人市民科学研究室は、この陥没が生じたエリアとその周辺の住民の方々と2021年5月に「外環振動・低周波音調査会」を結成し、主として、振動・低周波音による健康被害と、振動に起因する建物損壊の実態調査をすすめてきました(その調査の経緯や結果の一部をこちらにまとめています)。
現在、2023年7月の時点で、陥没地点を含む「直上エリア」に対して、事業者は家屋の立ち退き・解体をすすめ、まさにこの月末から大規模な「地盤補修工事」を長期間にわたって実施しようとしています(事業者側の説明資料の一つとして「地盤補修の施工に関するオープンハウスの資料」が公開されています)。
外環振動・低周波音調査会では、これまでの調査の経験をふまえ、トンネル工学、地盤工学、土質力学、水理学などの専門家からの助言もいただきながら、この地盤補修工事のリスクを多角的に検討し、事業者に必要な対策を迫っていくことにしています。
このような取り組みを、外環道問題に関わる方々のみならず、リニア中央新幹線や、地下構造物を築くための工事で被害を受ける可能性のある方々にも、広く知っていただくために、以下の連続学習会を企画しています。オンラインでの参加も可能な無料の講座として開催します。ぜひ多くの方々にご参加いただければと思います。
連続講座「東京外環道の工事のリスクを知る」
第2回
地盤補修工事は地下水にどう影響するのか―住民らから事業者への質問状とそれへの回答をふまえて
チラシはこちらから→チラシ
日時:2023年8月26日(土)18:00-20:00
場所:調布市東部公民館・学習室 オンライン併用
参加費:無料
申し込み:以下のサイトからお願いします
主催:外環振動・低周波音調査会
発表:上記調査会メンバー(上田昌文ほか4名)
例えばこれは、上記「地盤補修の施工に関するオープンハウスの資料」21ページ:
地下水の位置・流向・流動阻害の状況など、この図はいかなる根拠のもとに作られているのか?……
第1回 | 2023年 5月27日 | 外環道大深度地下トンネル工事による建物損傷―その全容を把握するための住民調査の報告 【終了】 |
第2回 | 2023年 8月26日 | 地盤補修工事は地下水にどう影響するのか ―住民らから事業者への質問状とそれへの回答をふまえて |
第3回 | 2023年 11月 | 外環道トンネル工事エリアの地形・地盤・地質データを把握する |
第4回 | 2024年 2月 | 大深度地下・シールド工法の危険性を知る |
第5回 | 2024年 5月 | 陥没事故直上エリアでの地盤補修工事の危険性を知る |
第6回 | 2024年 8月 | 低周波音・振動の健康被害研究の最前線と外環エリアでの被害実態 |